インドの霧
シンガポールやバンコクでの食料品の買い出し休暇を終え、デリーに戻る飛行機が徐々に着陸態勢に入ったときに窓の下に広がるオレンジ色の夜景。
特に10月~2月ぐらいの冬の時期は、霧がかかっていて、そのオレンジ色が、まばゆく霞んで、キラキラと幻想的な光を放ちます。
そんな遠景が見えてくると「あ~インドに戻ってきちゃった…」と夢から覚めて?笑
「またインド生活頑張らねば!」と、無理くり?自分の気持ちを、奮い立たせていたことを覚えています。
ここ数日、ニュースを見ていると、インド(デリー)の大気汚染の問題がよく取り上げられています。
元々PM2.5の問題が言われていましたが、今は、焼き畑農業の時期でもあり、より深刻化しているとのこと。
約10年前、私が住んでいたころも、今ほどでは無いにしても、大気汚染の問題はありました。
インドの前に住んでいたシンガポールでは毎日ジョギングしていたので、その感覚のまま、インドでも外を走ってみたら、「ゴホッ、ゴホッツ」と咳が出たのを覚えています。
他の駐在員の奥さんに、その話をすると「なに馬鹿なことやってんの、死んじゃうよ」と、一喝されました。
その後は、マンションの室内ジムのランニングマシーンで、マスクを着けて走るようになりました。
冒頭の、飛行機から見える街の明かりを幻想的に映し出す「霧」ですが、先輩駐在員のお話によると、それも実は、ただの霧だけではなく、水蒸気に、ちりやほこりが絡まって、より「キラキラ」と輝いて見えるのだそうです。
そうであれば、「幻想的…」なんて、そんなロマンチックなことは、とても言ってられなかったのだと…。
インドを離れて、もう、かなり経ちますが…、一度はご縁があって暮らした国です。
それなりに愛着を持っています。
インドだけでなく、世界も一緒に知恵を絞って、なんとか解決していかなければいけない問題だと、深く感じます。