カレーだけの世界
もはや日本人の国民食ともいえる「カレー」
ある調査によれば、日本人の9割はカレーが好きという結果も…
日本でのカレーの歴史は、1859年の横浜開港時にイギリスからもたらされ、始まったとのこと。
1886年:東京のフランス料理店「風月堂」で、初めて「外食カレー」が登場。
1903年:大阪の薬種問屋の今村弥から「カレー粉」が発売され、一般家庭でも食べられ始める。
1923年:エスビー食品の前身の日賀志屋が「国産カレー粉」を発売
1927年:銀座「中村屋」で日本初のインド式カレーが登場
1963年:ハウス食品が「バーモンドカレー」を発売
1968年:大塚食品から日本初のレトルト食品「ボンカレー」を発売
というのが、日本の近代「カレー史」の概要です。
(出典:豊橋創造大学「カレーに関する一考察」より)
その後、1980年代頃から、本場のインドカレーブームとなり、バターチキンやキーマカレー、ご飯のかわりになるナンといったものも、日本でもポピュラーになってきました。
今では、インドカレーのお店も普通に至る所にあり、イタリアン、中華、フレンチといった外国料理の「一ジャンル」を確立しています。
大変、前置きが長くなりましたが…
そんな、誰からも愛されているカレー。
子どもの好きな食べ物ランキング第1位のカレー(ぐるなび調べ)ですが、
実際にインドに住んでいる日本人で好きな人は、半分もいない。
しかも、そのうちの約2割の人は絶対に食べたくない!と思っている。(私の肌感覚調べ)
私は、2011年から2013年の3年間、夫の仕事の関係で、インドのハリヤナ州グルガオン(現在はグルグラム)に住んでいました。
それ?どこ?…と思われるかと、思いますが…
インドの首都デリーから車で30分ぐらいのところにある街で、昔からある、ニューデリー、オールドデリーとは雰囲気が違い、日経・外資系企業が多く集まってきていて外国人も多く住み、多くの大型ショッピングセンターや高層マンションが立ち並ぶ最新の街です。(あくまでもインドクォリティーですが…今は、もっと良くなったそうです。)
夫の同じ会社の駐在員奥様たち、コンドミニアムの日本人駐在員の奥様たち、日本人会で知り合った奥様たち、と、しょっちゅう買い物やランチに出かけましたが、「カレー」を食べに行こうという人は、ほとんどいませんでした。
中には「カレーは食べれない!」と公言される方もいらっしゃいました。
「なぜ?こんなに美味しいのに…」「ホントのホントのインドカレーなのに…」と、残念に思うこともよくありました。
確かに日本のカレーとは違います。インドらしい「スパイス」が効いています。独特なスパイスのカレーもあります。ですが、限りなく日本人の口に合うカレー、日本のカレーに近いカレーも実は沢山あります。
なぜなら、インド料理は、ほぼ全ての料理が「カレー味」だからです。
そうなんです、インドの人は、朝、昼、晩、ほぼ全ての食事がカレー味なんです。
肉も野菜も魚もすべて…
同じアジアでも、タイやシンガポールのように、外食して簡単に、美味しい、日本食や他の国の料理を食べるということはなかなかできません。(基本、インドでは牛肉、豚肉は食べることはできません)
人は、「それしかない世界」にいると、どうしても「違う世界」を求めてしまうものなのかもしれません…
たとえそれが、自分にとって本当は受け入れることができたもの、だったとしても。
恋愛も同じようなものかもしれません。