入会案内とカウンセリング
かつて、日本には、たくさんの「お見合いおばさん(おじさん)」がいました。
1960年代までは、お見合結婚の件数は、恋愛結婚より圧倒的に多く、その下支えとなっていたものは、間違いなく、お見合いおばさん、おじさんたちの存在でした。
それは、当時の「婚活サービス」のマジョリティーを占める、一大ビジネス産業であったともいえるのですが…、そのほとんどの人は、完全な「個人経営」でした。
その理由としては、そもそも趣味や副業的に「お見合いおばさん」をやっていたので、事業化する必要がなかったということもあったでしょうし、また、今のように、インターネットやSNSがあるという訳でも無かったので、簡単にネットワークを広げるということも出来なかったのだと思います。
ですが、もう一つの理由としては、人の繊細な機微を扱う「結婚のサポート」に、“効率化”といった発想は馴染まないと、そう感じてもいたのではないでしょうか…
(あくまでも私個人の意見ですが…)
私自身は、結婚相談所の経営に携わるようになって、もちろんビジネスとして拡大していきたいという気持ちは大いにあります。
ですが、例えば大手結婚相談所のように、ある意味、生産効率を上げるため、入会案内は入会案内のスタッフが行い、カウンセリングはカウンセリングのスタッフが行うといったようなことには、なんだか違和感があって…
入会案内というのは、単なる説明ではなく、その人の希望、要望、考え方、結婚観を把握する場所であって、そして、それを十分に、把握、理解しているからこそ、その人の意向と個性を尊重した、きめの細かいカウンセリングができるのだと思っています。
ちょっと、古い考え方かもしれませんが…
昔の「お見合いおばさん」も、そういった思いが、どこかには、あったのではないかと…
(勝手に思っています)
そんな気持ちで、これからも精進してやっていきたいと思っています。