婚活ノート。イー・マリッジ代表 山領有紀子のブログ

「許せる」ということ

 

「これで、いいと思えるかどうかですよ」

 

ドッグトレーナーの先生から言われた言葉です。

 

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昨年から犬を飼い始めました。黒いトイプードル「あゆん」です。

 

いつかは、犬を飼いたいと漠然と考えていましたが、一念発起し決断しました。

子どものいない私たち夫婦にとっては、まさに齢をとってからできた「初めての子」です。

 

 

犬を飼うことを決めたきっかけの一つに、自宅近くにドッグスクールがあったこともあります。

 

以前から、それらしきものがあるな~と思っていて、せっかくならちょっと聞いてみようかと思い、飛び込みで入ったのが、そのドッグスクールでした。

 

「できれば大人しい犬が…」「飼いやすい犬が…」「どうやったらしつけが上手くいくのでしょうか」等々の、矢継ぎ早の質問にも一つ一つ丁寧に答えてくれました。

 

あとから調べてみると、その方は、テレビ東京の「TVチャンピオン子犬しつけ王選手権」で連続優勝するような有名ドッグトレーナーの先生。

偶然にも近所に、そんな有名な先生がいるなら、何かあれば助けてもらえるかも…という甘い考え(?)もありました。

 

 

飼い始めた当初は「無駄吠えさせてはいけない」「噛ませてはいけない」「社会性を身につけさせなければいけない」等々、「しつけの基本」を徹底遵守しなければ!という思いで必死でした。

 

そんな、初めての「子育て」に、てんやわんやしている時に、早速、その先生に出張トレーニングをお願いしました。

まだ、ただの「赤ちゃん」という感じだったあゆんですが、先生に会った瞬間「シャッ キーン」と背筋が伸びた?感じになり、生まれて初めて聞いたであろう「お座り」という言葉に即座に反応しました。まるでマジックでも見ているよう。

 

その後は「ハウス」「マテ」の練習方法等、基礎的なことを教わったのですが、途中甘えるように鳴いたり、手や足にまとわりついてくることもありました。

 

その時に先生が言われたのが「これでいいと思えるかどうかですよ」という言葉です。

 

その時の私には、その意味がよく分かっていませんでした。

こっちは、必死で「しつけなければ!」と思っているのに、このダメな感じ…で、いい、と、諦めなさい、と、言っているのか?と…

 

 

あゆんと暮らし始めて8ヵ月が経ちました。

最近になって、ようやく、先生が言われた、その意味が、少し分かってきました。

 

ちょっとは大人になってきたとはいえ、まだまだやんちゃで、ダメなところも山ほどあります。

でも、一緒に暮らして、寝食を共にして、なんとなく心が通じるような感じになって、「許せる」という、気持ちになってきました。

 

「齢をとってできた子」です。甘やかしている、といえばそうかもしれません。

でも「妥協する」のとは違います。

 

オーバーな言い方をすると「一つの個性」として尊重できるようになったから「許せる」ようになってきたのだと思います。

 

「犬のしつけとは」「飼い主の責任として」という、頭でっかちな「情報」だけが先行して、「こうあるべき」という、思いが強すぎていたような気がしました。

 

ペットの話を引き合いに出すのは恐縮なのですが…

 

人が人を「許せる」という気持ちになるのも、同じようなものかもしれないと思いました。

 

誰もが、その人その人の、自分の「こだわり」や「考え」を持っています。

そういったものが、同じ、少なくとも近くなければ、なかなか受け入れることは難しいものです。

 

でも、その人の「個性」を見出すよう意識し、理解するよう努めれば、少しづつでも「心が通じるようになる」。

 

そうしたら、「許せる」という気持ちも自然に芽生えてくるような気がします。

 

たぶん、それは恋愛でも同じことのような気もします。